誰もが認めるフレンチ・エレクトロの雄、Daft Punk。そのクルーを務めるユニット、Buffalo Bunchの一員であるRaw Manのソロ作品である2003年発表の本作は、ダフトパンクのアッパーな部分をより強調した、これぞフレンチ・エレクトロ・ロックと呼ぶにふさわしい1枚です。2003年といえばダフトパンクの出世作である2nd"DISCOVERY"を日本が誇る漫画家、松本零士と共に映像化した"INTERSTELLA 5555"が発表された年でもあります。そんな2003年に発表され、"EMMA House 10"にも収録された本作は、"Across the universe"(試聴は本作)と"europa"の2曲を収録しています。"Across the universe"というタイトルが全てを物語るように、夜空へ駆け上がっていくような輪郭のはっきりとしたシンセサイザーの音色と、ときに細かいビートを刻みブーストしながらも走り続ける、抜けのよいキック。ブレイクもきっちり決めてあり、オーソドックスな展開ながら、盛り上がるポイントを外さない作品に仕上がっています。移り変わりの早いこのシーンで、今聴いても全然古さを感じさせず、フロアに直結するような音を作っているのは、流石の一言です。2008年にはKITSUNEレーベルからも作品を発表しているRaw Man。今後の活動も、とても注目されるところです。