乾いたボンゴの音が近づいては遠ざかる、その気持ち良さ。

Mike Pacheco

Bongo Date

3,000 yen LP/avant/unknown
Disc:3 jacket:2.5 sound:3   ※レコードの状態につき、5段階評価を行っています。5が最高、1が最低です。
盤キズ若干アリ、所々ノイズ入ります。ジャケット上下ダメージあり。

Bongo Dateというタイトルが現しているように、ここで紹介するMike Pachecoはパーカッショニストであり、彼がボンゴを叩きまくっているのが、本作です。このMike Pachecoという人は1950年代に3枚のアルバムを発表していますが、ボンゴ3部作とでも言ってしまえばいいのか、そのいずれもが「ボンゴ」を冠に付したタイトルとなっています。なお本作は1957年の作品で、3部作の最後の作品のようです。以降、50年代後半〜60年代前半辺りはジャズに傾倒し、多くのジャズアーティストと共に演奏していたようで、なんとStan Kentonの作品にも参加した経験があるようです。
肝心の内容ですが、当然の如く最高です。やはりスタン・ケントンに見いだされるのは伊達ではないというか、かなり前衛的かもしれませんが、同時に聴きやすさと踊りやすさも併せ持った内容となっています。何せひたすらボンゴ!ボンゴ!ボンゴを主軸に置きつつ、その他最低限のタイコとのアンサンブルなのですが、ひょっとしたら全て彼一人で演奏しているのではないかと思うくらい、殆どボンゴのソロで構成されています。ともすると飽きそうな予感がしますが、様々なリズム、絶妙な強弱を織り交ぜ、最後まで全然だれることなく聴けます。乾いた傘に雨粒が跳ねるような、軽やかなボンゴのリズム。

※試聴曲は本作品には収録されていませんが、雰囲気は十分、味わって頂けると思います。

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